2016年1月15日金曜日

「いま、ここ」と不釣りあいな感情を引き寄せる原因

前回から続く


ラケットにはとってもネガティブな方法で他人を変えようとする企てと確信が潜んでいます。たとえばこんな感じです。

  • 私がひどく悲しんでいれば、親(あの人)はあの考え(または行動)を変えるに違いない。
  • 私が腹を立て続けていれば、親(あの人)は態度を改めるだろう。そこで私は欲しいものを手に入れることができる。
  • この不快な感情に浸っていれば、きっと親(あの人)は私を認めて、可愛がってくれるはずだ。
  • この感情を手離さないでいれば、いま以上の不幸がやってくることはあるまい。これは一生使う価値があるぞ。

親(あの人)が大きな心で対応しているうちな辛うじて穏便な関係を継続できますが、人生早期の決断の内容でこじれるのは時間の問題になります。
そうしないと人生早期の決断した「あるべき目標(結果)」にたどり着けないからです。

関係がこじれることで他人を変えようとする企てと確信は失敗を見ます。つまり失敗によって人間関係の構えが強化されるようになります。強化されることで人生シナリオは一歩前進となりますが、同時に自己否定感は強まります。がんじがらめのネガティブな因果関係が無意識の内に全部強化されるのです。他者が客観的に見ると「不幸になりたがっている」としか見えないのです。ラケットに支配されている状態にあると、後悔することはあっても脱出することはできません。逆に蟻地獄のようにどんどん深みにはまってしまいます。



ラケットは、「いま、ここ」にある状況に不釣りあいな感情を引き寄せます。

たとえば温暖化で雪が降らない地域に暮らす人は、そのうち物凄い寒気が来て凄い積雪が起こるのではないかと心配します。

これと同じようにいまが幸福だとその反動で凄い不幸な出来事が起こると心配したり、恋人同士の闘係がうまくいってるのに、喜びが大きいほど不安も大きくなり、「どうせ私を嫌いになる」と決め込んで相手を試すことばかりしてしまうのも同じです。

こんなことをしているとうまくいってる関係もおかしくなります。際限がないので相手は嫌気がさしてきて、予測通り、嫌われてしまい関係はこじれます。

しかしラケットに支配されていると原因が自分にあることに気がつかないので、結果から相手を判断して、自分が正しいとしか思えないので反省が起こらず、自己憐憫に陥ってしまいます。この孤独感こそ人生シナリオの目的なのです。
しかも20代で味わう孤独感と人生終盤で味わう孤独感では雲泥の差があります。

ですから、ひとつの悲しい結末、終わりは次の悲しみの準備になります。こうしてより大きな自己憐憫に進んでいき、人生終盤の大きな悲しみに育て上げていくのです。

このように「いま、ここ」と違う感情生活をしてしまう原因は先にあげたような事例に潜んでいます。

自分の自然な感情を出そうとしたら叱られた、反対に逆の感情を表現すると高く評価されるといった体験を通じて、自然な自分を出すと不安になるようになってしまったのです。

現実にはとっても幸福な生活をしているのに、感情的に受け入れることができず、気持ちが悪いと表現します。これも自然な自分を出すと不安になってしまうからです。解決するには、自然な感情を表現できなくなった源を探ることが必要です。

その意味でもエゴグラムを慎重に評価してみることが大切です。併せて禁止令が働いていないか確認してみましょう。さらにダメ呼ばわりされた言葉を思い出してみましょう。たとえば「のろま」「泣き虫」「甘えん坊」などが代表例です。

ダメ呼ばわりされたつらい経験は自尊感情を破壊してしまうので、人間関係の仕方に大きな影を落とします。つまり自己否定、他者否定といった否定的な構えを持つ要因になるのです。

・自分なんかいないほうがいい
・自分なんか嫌われる
・自分なんか相手にされない

こういった否定感は、自尊感情が破壊されているからです。

人は誰でも自分の感じたままを表現していいのです。

「うれしい!」「楽しい!」「幸せだ!」

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