2016年1月15日金曜日

人生早期に起こる決断はどのようにして起こるか?




子どもにとって、親の愛情(ストローク〉が全てです。親の愛情こそ安心と安全そのものなのです。ですから親の愛情がもらえるなら、なんでもする。これが子どもなのです。では次に具体的な症例を見てみましょう。


幼い頃、とても明るい、朗らかだった少女がいました。

ところが小学校へあがる頃から、母親が病気になり、床に就く毎日に変わります。でも彼女は遊びたい年頃なので、友だちを家に連れてきます。

ところが、彼女が皆と楽しくはしゃいでいると、繰り返し父親から「お母さんが病気なのに、どうして静かにできないのか」とひどく叱らました。

やがて彼女は、楽しくするのは悪いことのように感じ始め、自分の自然な感情を悪いものだと思い始めます。遊んでいる友人の姿を見ても、仲間に加わってはいけないと幼い心に決めたのです。

これが一生に影響する人生早期に起こる決断です。

ところが寂しい気持をこらえて、ひとり静かに本でも読んでいると、今度は父親の満足そうな、やさしい声が聞こえてきます。
「いい子だね。静かにしていて。お父さんは、そういうお前が好きだよ」

そして、父親は、次から次へと本を買ってきてくれるようになり、彼女はそれを笑顔で迎える習慣ができ上っていったのです。人生早期に起こる決断を強化する習慣です。

子どもにとって、親の愛情(ストローク〉は生きる糧です。親の愛情が全てです。苦痛な場面で笑顔を見せ、楽しい場面に無関心を装うことで、親から愛情がもらえるのなら、子どもは疑いを持つことなく、自分の感情のパターンを変更することもできるのです。

彼女の場合も、こうした父子の交流が何年か続くうちに、本来の自然な感情的生活が、後天的に人工的な別のパターンに取り換えられてしまったのです。

人生早期に起こる決断を間違えてしまうと、自分や周囲の人の一生が苦痛に満ちたものになる可能性があります。


では、この人工的、かつ後天的に身につけたパターンを自然な感情的生活に戻すにはどうすればいいのでしょう?





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