2016年1月25日月曜日

相性グラムをどう使うか


相性グラムをどう使うか


医者の不養生というように、平素、自分以外のものに注意をくばることにいそがしく、自分のことをそっちのけにしてしまいがちで、深く掘り下げて自分をみつめるヒマがありません。

周囲にばかり気をとられ、他を変えようとしたがるものです。その典型的な事例が職場ではないでしょうか?
その意味で職場は、とても複雑な場所で、公のネットワークがあれば一方で裏のネットワークが必ず存在します。なぜなら人には相性があり自然発生的に作られてしまうからです。

ですから役職があってチームワークで進めるようになっていても裏のネットワークを無視することはできません。そこで相性という問題が表裏問わず重要な要素になってきますが、十分な配慮がされていないのが現実です。

では次に以下のような事例を考えてみましょう。清水一郎(仮名)さんは年齢54歳働き盛りの経営者ですが、清水さんのエゴグラムからどのようなことが考えられるか、見てみます。


父性的な心

昭和の人間なので、近頃の若い人たちの態度については随分気になることがあります。しかし昔の軍隊式のスパルタは好まず若い人たちを型にはめこむ教育や叱咤激励が好みません。息子も成人しているので、ごくたまに説教するくらいです。うるさくて厳しい親父といわれないように、会社の人や息子が嫌がることはいわず、気になることがあっても管理者に任せるようにしています。

母性的な心
生れつき頼まれたら、いやとはいえない性格なので、失業して、最近私
のところへ相談にきた元幹部がいました。彼には随分嫌な思いをさせられましたが、妻子をかかえて可哀想だし、この不況なので再就職を受け入れました。
業績は計画通りで、まずまず順調です。変動のはげしい時代なので、自己啓発を心がけています。

大人の心

会社には社会的責任があります。経営の責任者として自分の感情は極端におさえてしまいます。会社で起こったことは女房に話したことなんかありません。夜の接待やゴルフなどもたまにやりますが、おつき合い程度で、自分から進んでやるほうではありません。遊ぶことに時間をさくことは少ないといえます。

順応した子どもの心について
他人と口論したり、争うことは好まず、ほとんどありません。
なるべく相手に気にいられるようにしています。頭にくることがあっても顔にださないようして抑えています。



⚫️事例の評価と処方護

清水さんの評価をエゴグラムにすると分かりますが、


厳格な父親の心

父性的な心は未熟で弱すぎるので、経営者として十分な厳格さが持てるとは言えないでしょう。
周囲に対して律するような厳格な態度がとれないのです。周囲を気にしないで、もっと節度あるかまえをとるべきでしょう。




保護的な母親の心

反対に母性的な心は極端に強すぎます。まあまあ主義で相手に対して甘すぎる、世話をやきすぎたり、面倒みがよすぎる面が多分に見うけられます


大人の心

大人の心は経営者としての役割からすると、少し働きが鈍いといえるでしょう。
事実に即して適確に判断して、適切な行動をとる面が弱い、もう少し合理的になってもよいようです。知性を働かせたい。

自由な心

極端に弱すぎて、自由な感情の表出が素直にできていません。自分を抑制しています。人生をエンジョイする能力に欠けていて、仕事第一主義の人生のかまえになっていますが、無邪気な心に乏しいので、ベンチャーや新規事業など挑戦的な経営には不向きです。


順応する子どもの心

順応した子どもの心は強すぎます。何事も大勢に対して順応的です。自分を抑圧することが多く、自分をころしてしまうことが多いといえましょう。これではチャンスがあってもチャレンジができません。大勢が決定してからやっと取り組むのが背一杯になるといえます。

これら全体を評価すると決して健康的なエゴグラムの事例とはいえません。多分、自分自身では仕事熱心で、部下の信望をえていると考えているでしょうが、いってみれば典型的なマネジャー病と評価できます。



処方箋として

父親の厳格な父親の心、無邪気な子どもの心を強くするといいでしょう。もし自分でできない場合には、「新撰組」の近藤と土方のコンビに習うといいでしょう。

しかし父親の厳格な父親の心、無邪気な子どもの心が乏しいと、そういうアレンジが難しいので気をつけましょう。どうしても同じタイプを片腕にしやすくなります。その原因は、厳格な父親の心が弱いので、うまくつきあえないのです。会社としてはこれが限界になりやすいので、5つの心のバランスがとれるように相性エゴグラムを使って設計しなおしてください。

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