2015年12月25日金曜日

人を愛することは「交流分析」なしにあり得ない



人生シナリオは人生早期の決断によって創られます。幼い子どもは、誰しも親の愛情を失うことを恐れて、子どもには過酷と思える要求でも親を喜ばせるために順応します。

無力である子どもにとって親の保護と愛情は死活問題なのです。このときに人によって程度の違いこそあれ、子どもは親を喜ばせるために懸命に自分を順応させます。この体験は成人したときに、他者に対して過酷な要求することにも繋がることもあります。

もし、母親が父親から暴力を受けているのを見て「母親(女性)を幸福にしてあげよう」と心に誓ったとします。この決断は、その後、さまざまな家庭内外のできごとを通じて強化されます。
それはそのまま自分の人生に投影され対人関係、恋愛、結婚などに強い影響を及ぼすことになります。

自分はある女性から「愛着行動」として10年間に及ぶ「無言電話」を受けました。決して憎悪の感情ではなく「愛着行動」です。

女性は子どもの頃に「父親の家出~愛人との同居」という体験を経験しています。その状態は成人しても、変わらず、籍はそのままで、母親との二人暮らしが続きました。つまり三角関係が20年から続いていたのです。

自分はその女性の「愛情」を十分感じていたものの、全面的に受け入れることができずにいました。その理由は未だにわかりませんが、「気にさせる」ために無言電話をかけ続ける複雑な行為が影響したのかも知れません。いつしか面倒になり疎遠になりました。その間に彼女に近づく男性が現れ、三角関係になりました。自分はその関係を疎ましく感じ彼女から離れました。その後ふたりは結婚しましたが、無言電話は止まりませんでした。

客観的に見ると、この関係は彼女の子ども時代の体験をそのまま投影したものではないかと思ったのです。つまり母親の役を彼女自身が演じ、家出した父親の役を私が演じ、見て見ぬふりをしていた彼女の子ども時代の役を結婚相手が演じているのです。

彼女は自身の欲求としては家出した父が帰ってくることを願いながら、一方では母親の愚痴を聞きながら、無言電話を繰り返す母親の行動を見ながら20年間以上暮らしたのです。

その状態を成人して見事に再現したのです。つまり私も結婚相手も彼女の人生シナリオを完成させるカモにされたのです。

もちろん無意識にですが、彼女はいつ決断したのでしょう?父親が出て行った5~6歳の頃にすでに人生シナリオは彼女の決断によって創られたのです。

「母親を捨てた父はひどい男。愛する者は自分から去っていく。だから私は電話をする」というシナリオです。

人生の決断をしたわずか5歳だった女の子は、その後、彼女は義務教育、さらに教育を受け、いろんな知識を身につけましたが、それはどのように役立ったのでしょうか?

彼女は父親が出て行ったのは自分のせいだと思い込んだかも知れません。子どもはみんな万能感を持っているからです。
子育ち」という言葉があります。子どもは勝手に大きくなっていきます。親はそのお手伝いをするだけなのです。どのようにお手伝いするか?その在り方が子どもの一生を左右するのです。

このように人生シナリオは人生早期の決断によって創られてしまうため、自分でも記憶にありません。

しかし「なぜかひっかかる」という想いを通して決断とつながっています。たとえば人を好きになるという行為がそうです。ほとんどの場合、「あの人を好きなった理由はなぜ?」と問われても理路整然と正確に答えることはできません。

そして
「父はアル中でした。私はそれが大嫌いだったのに、現在の夫もまた父のようにアルコール中毒なのです」
「母は父の借金癖と酒飲みに耐えられず離婚しましたが、私も同じ理由で離婚したのです」
というようなことが起こります。


この問題に立ち向かうのが、エゴグラム分析生育期、思春期〜青年期の自分の歴史の分析です。ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」に代表される同種のアプローチも結構ですが、潜在意識の取り扱い方を正さなければ人生を無駄に過ごしてしまいます。

もし、あなたが、あなたの愛する人を心から愛し抜いて、守ってあげたいと心から願うならが、どのような人生シナリオをいつ持ったのか、ぜひ掌握してあげて、その決断に幸福な道標を掲げてあげて、二人三脚で歩んでほいいと切に願うのです。

もちろんあなたのネガティブな部分に愛する人が惹かれた可能性が高いので、あなた自身が心通わせて踊る準備をすることも必要です。男女の愛はダンスのように呼吸を合わせて踊らないと踊れないからです。





0 件のコメント:

コメントを投稿