エゴグラム(上記の図)によるPAC交流分析は、自分の歴史を探る最初の一歩です。
自分の歴史。なかでも人生序盤といえる幼児期の体験は、意識になくても重要な意味を持ちます。
自己調査を行うことは、自分を知るうえで有効かつ貴重な資料の役割を担います。人生早期に起こった因果関係を知ることは、真の解放と自由につながっています。
人は誰でも、次に3つの事項によって、人生が決定づけられています。
- 人間関係の仕方(自他肯定、自己肯定・他者否定、自己否定・他者肯定、自他否定)
- PAC交流の自己パターン
- 人生シナリオ
人生シナリオを完成させる方法が、人間関係の仕方と繰り返される日常的なPAC交流の自己パターンです。これを支配しているのが自分の生育歴によって培われた潜在意識です。
自分の生育歴によって培われた潜在意識を成人になって意識している人はまずいません。
後付けの知識は意識できます。ほとんど話していることは「後付けの知識」によるコミュニケーションです。ですから言ってることとしていることが違うというようなことが日常的に起こります。解っているけどできないというのもそれです。
はっきりいって言ってることを実際に大事にしている人に出会うのは稀です。たいてい反対です。カウンセラーの方に多いのも実はこのパターンです。会ってみたら書いていることと真逆の人物だったという経験をされた方は多いと思います。出会いを大切にと言ってる人が実は全然ということも少なくありません。愛情こそ一番という人が愛情に関心がないことも少なくありません。
なぜだか分かりますか?
本人が求めているのは事実です。嘘ではありません。なぜ求めるかというと自分に欠けているからです。ないから必要としているのです。ほとんど未解決の問題を抱えて解決したくて学んでいる。だから知識は増えていきます。しかし知識が増えることと実際に解決している、解決の必要がないのは全然違う次元のことなのです。
自分を知る方法を一緒に考えましょう。
言いたいのは、その種の人を責めるということではなく、有名な心理学者ですら、そうなのですということです。それほど「後付けの知識」より「潜在意識」は手強いということです。毎日勉強している人ですら、そうなのだから気にもしていない人なら、自分の内側でなにが起こっているのか、さっぱりわからないといっても過言ではないのです。
たとえば、何度やっても同じような結末になるとしたら、それは偶然ではなく、無自覚の人生シナリオが効果をあげている可能性があります。効果をあげているといっても、そこにはネガティブな結末になることが多く、ほとんどの場合、潜在意識が働き、無自覚で起こっています。人生シナリオがネガティブなものであるなら、必然でネガティブなことが多く発生します。最終目的がより大きなネガティブなものだからです。
逆に言うと、自分を認識し、自覚するようになればなるほど、自分自身に関する責任を果たそうという決意が強くなります。
自分の歴史作成ガイド
生育歴の自己調査のために、「ライフスキル講座」で行っている「自分の歴史作成ガイド」を参考にします。
自分の自我発達のプロセスを研究するため、次の4段階に分けて整理してみましょう。
- 誕生から3歳頃までの時代
- 1歳~3歳頃までの時代
- 小学校の時代
- 思春期~青年期
年令別の順序にしたがって、つぎに述べる生育歴の各項目を参考にしながら、自問自答し、根気よく、記憶を鮮明にして、心に浮かんだことを素直かつ躊躇せずに思い切って書きだして下さい。
整理の仕方
誕生から3歳頃までの時代
十分に愛され、注目され続けて、保護されたか、がポイントになります。
その点でどうであったかを客観的に分析します。
その点でどうであったかを客観的に分析します。
- 難産、未熟児など出産状況はどうだったか
- 乳幼児期の育児環境
- 長男、長女、末子など出生の順位はどうだったか
- 両親の不和、多忙、別居、離婚などの体験。
- 分雑不安、分離体験の有無(離婚、別居、死別、里子、見捨てられ不安など)
- 両親の健康状態が芳しくない病弱であったかどうか
- 貧困の環境にあったか
- 乳幼児期の病気や怪我があったか(小児喘息、転落、骨折など)
- 自身の幼児期が病弱であったかどうか
- 両親はあなたの乳幼期について、どんなことをいったか(神経質、愚鈍、強情など)
- 両親の不和、多忙、別居、離婚などの体験。
- 兄弟姉妹の死や離別、分離など
3歳から6歳頃までの時代
- しつけは厳格、放任、過保護、無関心など、特徴はどうだったか
- とくに「手のかかる子」、または、「手のかからぬ子」であったかどうか。
- セックスについての記憶や、体験について。
- 親の態度は性に対してタブーだったかどうか
- 原光景(大人の性交捗の場面を目撃すること〉を見たか、
- 病気と怪我のとき、周囲の者、特に両親がどんな態度をとったか (例:大げさ、無視
- 兄弟姉妹との葛藤はどうだったか〈ライバル意識て比較、親の差別の程度)
- 両親の言動について、今まで覚えているイヤなことを三つ書く。
- 両親の言動について、楽しかったこと、感動したことを三つ書く。
ゆがんだかたちの愛情獲得の手段を身につけたとしたとしたらどんなものがあったか
- すねる、
- ひねくれる、
- イイ子になる
- 病気をながびかせる
- など。その他
子どもとしてどんな「人間関係の仕方」を身につけたか。
- あなたもわたしもよい子だ(自他肯定)
- あたしはよい子、あなたはわるい子(自己肯定、他者否定)
- わたしはわるい子、あなたはよい子(自己否定、他者肯定)
- あなたもわたしもわるい子(自他否定)
小学校生活について
際立った出来事がなかったかを客観的に念入りに調査・分析します。
- どんな友だちをもったか、
- 特殊なできごとはなかったか。
- 教師との関係、成績、
- 登校拒否などはなかったか。
- 以下の事柄については」3歳から6歳頃までの時代と同じなので上記を参照してください。
(家庭環境、しつけ、セックス、病気、怪我、兄弟姉妹に関すること
続く(思春期~青年期)
次回プレビュー
主にどのようか感情でこの時期をすごしたか。
- 明朗
- 怒り
- 喜び
- 憂鬱
- 不安
- 平和
- 絶望的な気分
- 希望、
- 無気力、
- 気力の充実
- など。その他。
親(父・母それぞれに)に対してどんな考えや感情をもったか。
- 尊敬
- 軽蔑
- 同情
- 軽視
- 愛情
- 嫌悪感
- など。その他。
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