2014年7月21日月曜日

好きになるほど自分がなくなる不安。私は誰?



恋をして幸福になれると思ったのに、自分らしく生きようとすればするほど自分がなくなりそう。こんな状態で関係を深め結婚したとしたら将来が恐ろしくて仕方がない。

この恐怖の原因は、あなたが大人に成長する過程で、アイデンティティを「確立できなかったせいです。「自分はだれなのか」という感党が曖昧なのです。この感覚は親、特に同性の親から教わります。一番身近で親しい人から学びます。

親が私たちこどもを「この子はかわいい」と感じれば、私たちも「自分はかわいい子だ」と感じることができます。親が「かわいくない」と感じれば、私たちも「自分はかわいくない子だ」と感じます。

人は言葉ではなく、態度、表情、行動など非言語コミュニケーションも含めてコミュニケーションしています。
言葉では否定的なことを言っていても態度、表情が肯定的であれば、全体の量から推察してどう思われているか感じるものです。

これが曖昧だと上手にキャッチできなくなります。言語、非言語、すべてが肯定的に統一されていると安心感が増し、親も自分も肯定しながら育ちます。親こそ人生で最も最初に出会う他者であり、親を通じて基礎を学び、身につけていきます。

不幸にして「自分は誰か」アイデンティティを確立できないと、その後も続き、大人になっても確立できないままというのはあなただれでなく、たくさんいます。

親は子どもを愛するものだというのが社会の常識です。実際、健全なふつうの親はそうです。そこでみんなと同じように、他人や人前では「かわいい」と言うものの、家の扉を閉めた世界で、父が虐待して、母もそれに同調する家庭に育てば、あなたは、「自分が悪い子だから」と思い込んでしまい意識していまう。その一方で誰もが安心を求めるように、あなたは無意識に保護を求め愛を求める。

子どもを愛せない親もまた、社会の決まりから外れていることに苦しむ。可愛がってやりたいのに、そうさせないのは「この子のせいだ」と正当化する。正当化するほどあなたは憎まれ孤立しあなたは自分のせいだと罪悪感を持つ。

とどのつまり家族全員が自分を愛したくて愛せない。それ以上に他者を憎しむ。分裂し自分が何者でどうしたいのか分からなくなります。



最も身近で信頼し愛する人から「こんな子いらない」と言われて育った子どもは、大人になり、最も身近で信頼し愛する人に対して「こんな人いらない」と意識する。相手は混乱するが自分でも混乱している。どうしていいのか分からない。

元を正せば、あなたの両親も他の若く未熟な両親同様、自分がだれだかわからないまま大人になった未熟な人たちでした。若くても成熟した健全な両親の場合、子どもに自然な家族の愛情、人間としての常識、社会的な知識、対人関係のコツなどを、毎日の生活の中で自分がお手本となって教えることができます。だがあなたの両親はそれができるような人たちではなかった。ここで言う成熟の判断は難しい。一般に人を指導する立場、職にあっても成熟していない人が多いからです。たとえば政治家、教師、僧侶など、無邪気な子ども心を抑圧せざるを得ない親に育てられた子も同じく無邪気な子ども心を抑圧して育っています。

両親があなたを十分に育てられなかった分、あなたは自分で自分を育でなければいけなかった。テレビや本、友だちとのつきあいから学ぶ人間関係、さらにまわりの人たち、世間を洞察することからひとりで自分なりの生き方や価値観をつくりあげていったのです。しかし客観的なものの見方ができない未熟な子どもの知恵で理解できることには限界があります。

なんでも自分が一番でなければ不安だし気がすまない。何が正しいか間違っているのか気にしていても実際には無視してわがままが先に立ってしまう。外見は大人になっても、中身は子どもままです。自分というものがなく、自分の考えや判断力にも根拠となる確固たるものがないので、自信をもって行動することができない。本気で人を好きになることに脅威を感じてもおかしくないのです。

自分が決めたことに確信がもてないからといって、それでもって「自分をなくす」ということではありません。あなたが好きな歌を他人が何と思ってもそれでいいことです。誰かが違う意見を言ったからといって自分の窓見を捨てなくていいのです。少し時間をかけて、状況を判断し、十分に考えることを習慣にすればいい。その上で自分の意見としてあなたが責任を引き受けたらいい。その繰り返しがあなたを成熟に導いて行きます。

成熟すれば自信をもってあなたは選択できるようになる。

他者の意見を尊重してもいいし、自分の意見を尊重してもいい、あるいは第三のほうほうとして、他者と自分の意見をミックスして新しい意見を生み出してもいい。そして革新的な意見は第三の方法であることをあなたは社会から学ぶでしょう。


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