2014年3月13日木曜日

東日本大震災で被害を受けた人々への援助の手をすくませている<3つのタグ>




距離感

心理学でよくつかう言葉に<近接性>があります。

<近接性>でいう近さとは、物理的な近さだけでなく、心理的な近さも含んでいます。

自分の属する共同体(家族、会社など)に属する人は親近感のある人ですが、それでも家族と会社では距離が生じます。距離があるほど共感しにくくなります。

世界で起こっている惨事のほとんどは、物理的にも、心理的にも「近く」ないので痛みに共感するのが難しい相手、こと、ものです。


あいまいさ。

救急車がサイレンを鳴らして走っていても、止まろうとしない人がたくさんいます。

聞こえているのか、聞こえていないのか、どっちにしても緊急性を感じていないことは確かです。

もし、自分や家族が乗っていたら、お願いだから一刻でも早く病院についてほしいと願うはずです。
なぜなら、なにが起こっているのか、事態を知っているからです。

<曖昧さ>は行動の違いになります。

宇宙から撮影した地球の写真を見て、美しいと思うかも知れませんが、特定の山河ほどの美しさを感じません。

同時にそこで2DKの一室で児童虐待が起こっていることも見えません。

想像力を働かさなければならず、それには「知っている」ことが不可欠であり、想像力を働かした上で、感情を動かさないと共感が起こりません。



無力感

心理学で「焼け石に水効果」と呼ばれている現象があります。

世界で起こっている惨事の犠牲者を、新聞やテレビで知っても、自分一人がやきもきしても、救い出せるとは思ってしまいます。

自分ひとりが頑張ったところで、なにができる。。。このように感じて、行動しないのが「焼け石に水効果」です。

たとえば戦争で親を失った子どもにしてやれることといえば、ふつうの人にできることは、自ら現地に出向く献身的にがんばったとしても、そこでしてやれることは、自分の子どもにしてやれることにも及ばない程度のことを、数人に援助するのが関の山。。。だと思ってしまいます。

「一体何ができる?自分ができる程度のことで何が変わる?」

大きな手助けを必要としている状態を前にして、自分一人の力はあまりにも微力すぎて、絶望的な状況は変えられないと考えると、感情のスイッチを自らオフにします。




<距離感>、<曖昧さ>、<無力感(焼け石に水)>

この3つが、東日本大震災で被害を受けた人々への援助の手をすくませてしまいます。

つまり、自分を育む手をすくませているタグ(要因)と同じなのです。





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